肘の痛みで最も頻度が高いのは、テニス肘や野球肘です。スポーツによるものや、家事、日常生活での度重なる肘への負担によるものです。 テニス肘は前腕伸筋とくに短橈側手根伸筋の上腕骨起始部における微小腱断裂、変性とされ、腱付着部炎と呼ばれています。 装具療法、ストレッチ指導、生活指導、物理療法等の保存治療が有効ですが、治療抵抗性の難治例には超音波検査を行い、病変部位に対しステロイド注射を2,3回行いますが、PRP療法等の新しい治療法も有効といわれています。
また野球肘は繰り返す投球動作によって肘内側の靭帯や肘外側の軟骨を痛めることですが、障害の部位により多彩な症状が見られます。日常診療で最も多くみられるのは上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎と呼ばれ、関節軟骨が損傷している状態です。発症早期には特徴的な症状がないため、超音波装置による野球肘チェックを行い、異常がある場合には遠投制限、投球制限など、速やかに適切な治療を開始することが最も大事と考えられます。
テニス肘、野球肘、ゴルフ肘、離断性骨軟骨炎など